わたしたちが考える「郊外のすゝめ」

北池智一郎(タウンキッチン)

郊外は都心や地方のどちらにも、30分から1時間ほどで行くことができる場所です。
利便性の良い都心の良さと、自然が多い地方の良さを取り込みつつも、言い方を変えれば中途半端な場所でもあります。
「中途半端」というとネガティブな表現に聞こえますが、そうではありません。
その中間的な特性をどのように活用するか、それぞれの生き方・暮らし方・働き方によって生まれるものが、郊外にしかない魅力やオリジナリティなのだなぁと思っています。

今までほとんどの街は、「“住む場所”が郊外」「“仕事をする場所”が都心」「“遊びに行く場所”が地方の観光地」というかたちで開発されてきました。
そのため、郊外は基本的な「住む」機能は充実していますが、「それ以外」の機能はあまり発展しづらい場所でもありました。
様々な選択肢がある今の時代だからこそ、もう一度郊外の使われ方・営まれ方を考え直すことで、新しい可能性が広がっていくのではと考えています。

私自身が仕事のテーマとして考えていることは、都心・地方・郊外どこであっても、やっぱり主人公はそこで暮らしている「人」たちだということです。
「暮らす」と「働く」はセットで、暮らしの支えには誰かの働きがあり、働くことが周りの人の生活に役立っている。
大切な人や身近な人たちを幸せにする働きや暮らし方ってとても大事です。
そんな自分らしい営みをする人たちが増えていったら良いなぁと思います。

「自分らしい」のとらえ方は人それぞれですが、もしかすると「家」というハードで実現できるのかもしれないし、「働く」環境性なのかもしれないし、そもそも「会社」の存在意義だったりするのかもしれない。
いろんな側面性からどう社会をつくっていくのかは、今後の大きなテーマだと感じています。

郊外についての考え方は、時代とともに変わっていくものなので、その時々に、自分に合った暮らし方や働き方をを考えていけることが大事ですね。

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北池 智一郎(タウンキッチン)
1976年大阪生まれ。大阪大学工学部を卒業後、 コンサルティングファームの朝日アーサーアンダーセン(現プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント)にて中央省庁、国立・私立大学などに対する経営戦略策定、人事制度・組織設計、業務改革などを従事。2005年より、人材系ベンチャーにおいて、大手ファストフードチェーンやコンビニチェーンをはじめ、多くの外食・小売業に対する教育研修・コンサルティングを実施。店長、SV向け教育研修、オペレーション改善によるコスト削減、人事制度設計、組織風土活性化支援、フランチャイズ本部構築、などの支援実績を持つ。

2008年に独立し、商店街起業研修講師や、SB/CBセミナー講師、企業向けの人材育成などに従事。2009年より任意団体TOWN KITCHENを立ち上げ、2010年7月に株式会社タウンキッチンを設立。現在、同代表取締役。多摩地域を中心に、まちに暮らす人たちが集い、関わりが持てる場づくりを行っている。

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